毎日筋腫、時々禁酒。~子宮筋腫腹腔鏡手術の記録~

30代半ばで子宮筋腫の腹腔鏡手術を受けた記録です。(リアルタイムではなく後から思い出して書いています。)

持ち物について。

病院から指定されたもの+先人達のブログから学んだものを用意しました。

 

まず病院から指定されたもの

・診察券

・印鑑

・入院関係書類

ショーツ(大きめのもの)

・パジャマ

・タオル

・バスタオル

ティッシュペーパー

・洗面用

・湯のみ

ここまでは調子よく準備できました。

・箸、スプーン

えっ…?食事に箸とかついてこないの…?忘れた場合手づかみ…?インド…?それにしてもフィンガーボウルが必要になっちゃうのでとりあえず割り箸と100均のスプーンを数本入れました。

(病院では普通に箸もスプーンもついてきました)

・ナプキン

何をどのくらい!?病院によっては1パックとか指定があるみたいだけど、絶対そんなに使わないよね!?よく分からないので普通の日用と多い日の夜用を5個ずつくらい持って行きました。

(結局それぞれ一個ずつくらいしか使いませんでした)

・室内履き(かかとのあるもの)

なんとなく短期入院ってクロックスを履くイメージ(※個人の見解)だったので、急いで靴流通センターへ向かいました!

 

 

それから先人の知恵により用意したもの

・ブラトップキャミソール

・S字フック、小さいハンガー

(ベッドに付けておくとタオルとか袋とかひっかけられて便利)

・ペットボトルにつけられるストロー

・マスク

・洗濯ネット

(下着とか洗濯物を入れておいて、退院後そのまま洗濯機に入れられます)

 

最後に、入院中に買い足したもの

・目薬

(意外と病院って乾燥してるんですね)

・コップ

(歯磨き用に一個持って行ったけど、お茶飲む用も必要でした)

・ウエットティッシュ

(よだれから目やにまでなんでも拭ける!片手で取り出せるのが便利)

 

子宮筋腫に限らず入院したことなんて無かったから必要以上に色々なものを持っていってしまいましたが、だいたいこのくらいのものがあれば快適に過ごせました!

入院4日目。

平成30年5月10日(木)

 

寝たんだか寝てないんだか分からないまま朝。

だるい。

傷口がめちゃくちゃ痛いとか熱があるとか、そういうの全くないんだけど

ただただ、だるい。

ベッドの上で体を起こすだけでだるい。

今なら

「10m先に100万円落ちてますよ!」って言われても取りにいかない。

「病室の前に向井理いますよ!」って言われても起き上がらない。

 これFFだったらHP/MPともに1で赤字で表示されちゃってるし、

キャラクターもしゃがみこんじゃってるし、

ハイポーション用意しても間に合わないから

最初からフェニックスの尾まき散らしとくレベル。

 

暇つぶしにと思って持ってきた物に手をつける気にならない。

・事前にDLしておいた脱出ゲーム(アプリ)

 →こっちは病院から脱出できる気すらしてないのに人の脱出なんて手伝えるかよ!却下!!

・小説

 →なんで病院で殺人事件が起きるような設定を選んだんだよ!!(自業自得)

  そもそも手の甲に点滴してて本持てないよ!却下!!

・テレビ

 →イヤホンが短すぎて常に体幹鍛えられる姿勢になるよ!却下!!

 

 もう目を開けてることすらだるくて

目をつぶると短く眠って、起きて、眠って…。

 

「お昼ご飯ですよー!」という看護師さんの声で目を覚ますと

だるさがかなり軽減してるんです。

あれ?誰か私が寝てる間に仙豆食べさせてくれた?

チコの実長靴いっぱい食べさせてくれた?

やっぱり眠るってすごいね!回復するね!

そりゃあ宿屋に泊まればHP/MPが全回復もするよね!

今なら病室前の向井理とハイタッチしつつ100万円取りに行けるよ!

 

それからはもう1時間ごとに回復するようで、夕方には大分元気に。

傷の様子を見た看護師さんが「じゃあこれからシャワー浴びましょうか」

シャ、シャワー…?

シャワーってあの、お湯をシャワワーって浴びるあれですよね?私昨日手術したんですけど、シャワーってそんなお気軽なものなんでしたっけ?

ちょっと転んですりむいて絆創膏貼ってシャワー浴びる時ってめちゃくちゃ痛いじゃないですか。すりむきがクリボーだとしたら手術跡ってクッパくらい強いじゃないですか。

え?大丈夫?私死にません?手術が成功したのにシャワーで死にません?

「大丈夫よー。死なないわよー。」

ということで、浴びました。

そもそも手術跡がどうなってるのかも見ていなかったのでドキドキ。

 

傷口…

 

養生テープが貼ってある―!!

 

普通に、引っ越しのときに見た緑の養生テープが

腹に貼ってありました。

そのおかげでまったくお湯は侵入しません。

すごい。

もう養生テープ胴上げしたい。

肩組んでビール飲みたい。

一緒にマイムマイムとか踊りたい。

なんならお泊り会とかして「ねぇ…養生は好きな人とか…いる?」って聞きたい。

 

そんなわけで、術後割と良好です。

主治医の先生、看護師さん、その他お世話になったみなさんと養生テープに心から感謝です!!

入院3日目。

平成30年5月9日(水)

 

ごはんですよー!!と流動食が運ばれてきたんだけど、こっちはもう昨日から寝っぱなし、二足歩行どころか起き上がり方すらうろ覚え。

この状態で食事って、クララに「フルマラソン走って来いよ!」っていってるようなもんです。

 

なんとか起き上がり重湯をすする。左手の甲に点滴の針がぶっ刺さっているのでお椀を持ち上げるだけで一苦労。

 

尿道カテーテル、T字帯、足のポンプ…。もう下半身は他人のよう。

 

看護師さんが「じゃあ着替えましょう!」って言ってくれるけど、腕からは点滴、股からは尿道カテーテル…これで自前のパジャマどうやって着るの?

 

着替えの前に看護師さんが暖かい濡れタオルで体を拭いてくれます。いや〜私なんてただ寝てただけなのにすみませんねぇ。

自前のデカパンツに看護師さんかナプキンを貼ってくれます。自分のナプキンをセットされてるとこ見るなんてそうそうないなぁ。

そして足のポンプを外し加圧靴下?みたいなの履かせてくれます。

(めちゃくちゃ履きづらい!履かせる人ほんと大変…)

 

次に看護師さんがキャミソール着させてくれます。入院中はブラジャーとか苦しいかもしれないからと思って持っていったブラトップキャミソール…着られねぇ!!腕が上がらねぇ!!傷が怖くて体をよじれねぇ!!もう乳首見えててもいいからキャミソール着たくねぇ!!

 

で、着替え後に尿道カテーテル抜いて、歩行器と共に歩行訓練。

生まれてたての子羊かな?ってくらいプルプル歩く。

 

「次におトイレ行きたくなったら呼んでくださいねー」

「はーい」

…。

……。

あのさ、おしっこしたいってどんな感覚だっけ?たった1日自動的に排出してただけで分かんなくなるの。

したい気もするけど、トイレについて来てもらって何も出なかったら「トイレトレーニングの子供か!違うか!ワハハ!」とか変なセルフツッコミしてしまいそう。

いや、でも行きたい気もする…。

オッケーGoogle、私の尿意は?

入院2日目(手術後)。

「…さーん、ヨケコさーん、分かります?」

あっ、これ「分かるようだったら指動かしてくださーい」とか言われるやつ?よっしゃ動かしたろ。

 

「ヨケコさん、取り出した子宮筋腫見ます?」

 

えっ最初それ?私の健康状態より成果物の確認?

くるなーグイグイくるなー。仕留めた獲物見せに来るネコか。ほめてほめてか。

頭はっきりしないしコンタクトしてなくてどうせ見えないし、断ろうかな…と思ったのですが、あのね、首を横に振るって意外と力使うよの。

小さくうなずくと看護師さんが「ジャーン!」って見せてくれました。

 

ジャーンって…筋腫をジャーンって…

 

いやこれ筋腫っつーか……ジップロックに入ったサラダチキンやん……

 

そう思いながら意識は遠のき、再び目が覚めた時は病室でした。

最初に思ったのが「なんかう〇こしたい気がするけど、どうしたらいいんだろう。」これ他の人のブログによると「下腹部に違和感><」みたいです。

 

心電図、点滴、酸素マスク、血栓予防ポンプ、尿道カテーテル

つながれてる。ありとあらゆる部分をつながれてるなー。

 

かろうじてしゃべれるし、かろうじて動ける。

でも声を出すだけでもすごく疲れるし頭を動かすのすら億劫。

「うがいすると少しすっきりしますよ。どうします?」

「ウガイ、シナイ…」

「暑くないですか?」

「アツイ…」

「氷枕持ってきましょうか?」

「ソコマデジャ、ナイ」

もうね、生まれてからずっとジャングルで狼に育てられたのかな?ってほどカタコトにしか喋れない。多分浅草あたり観光してる外国人の方が流暢な日本語扱えると思う。

 

「出血してないかちょっと見ますねー」

ペラッ

「はい大丈夫ですねー」

えっ私今そんなペラッとするだけで股から血が出てないかわかる状態なの?

家族とかベッドの近くにいるんだけど割と丸出しになってない?大丈夫?

 

寝たり起きたりを繰り返しているうちに夜になっていました。

血栓予防のフットポンプ。普段これ付けたまま寝ろって言われたら絶対嫌だけど、体の感覚も時間の感覚も曖昧な状態の今はむしろ規則的な動きに安心する不思議。

 

痛いような、痛くないような。

暑いような、暑くないような。

う〇こしたいいような、したくないような。

金持ちになりたいような、なりたくないような…いやそこはなりたいわ。

なれるもんならなりたいわ金持ち。

そんなことを思いながら手術当日の夜は更けていくのでした。

 

入院2日目(手術前)。

平成30年5月8日(火)

猛烈なOPP(お腹ピーピー)から一夜明け、手術日を迎えました。

昨夜21時以降絶食の私に朝ご飯はありません。代わりに看護師さんがワゴンに乗せて持ってきたのは

 浣腸

うん、そうだね。昨日の説明でも「手術日の朝浣腸しますね」って言ってたもんね。有言実行。計画どおり。

 

たださ、浣腸の本来の用途って便秘の解消とかだよね?私もう昨日からOPPなわけ。完全にオーバーキルだよね。焼け野原に火を放つようなもんだよね。どうする?それでも貴方は…する?

 

うん。するよね。そりゃそうだよね。

 

もしかして四つん這いになって「オラもっと尻上げろ!」と言われたりするのでは…?と不安になりましたが、「じゃあ窓の方を向いてこちらにお尻を向けて横になってくださーい」という何とも優しいポーズ。スヤスヤ眠る乙女のような体勢です。尻が丸出しでなければ。

薬が入ってくるのも違和感はあるものの、我慢できる範囲。

先人たちのブログを見ると「最低3分は我慢してくださいって言われたけど1分が限界だった」とか書いてあるわけですよ。

3分ってあっという間じゃない?朝仕事に行く支度してて「あと3分あるから間に合う!」って思ってストッキング履いて時計見たら4分くらい経ってることない?

 これは10分くらい我慢できちゃうんじゃない?と昨夜のOPPをすでに忘れて余裕こいていると看護師さんから「3分を目安にがんばってほしいけど、無理そうならトイレ行っちゃっていいですよ~。この部屋トイレ遠いから、トイレで待機した方がいいかも。」と言われたので、とりあえずケータイでストップウォッチ起動してトイレに向かい始める。

 

遠いって言ってもほんの数メートル先のトイレが、フルマラソン走った時の35km以降が無限に感じるアレとほぼ同じ。

1分も我慢した先輩たちの肛門括約筋屈強過ぎない?結局私のストップウォッチ1分15秒でギブアップでした。

 

尻の調子が整ったところで髪を結び、前日に渡された手術着と紙パンツに着替える。紙パンツってもっと紙エプロンと同質のものを想像していたけど、意外となめらか!

9:00ちょうどに手術室に到着。

 シャワーキャップみたいなのをかぶると「前髪とか気になったら整えて大丈夫だからね。」と看護師さん。マジ天使。でもオイラ、美意識とか病室に置いてきたからさ!

自力で手術台に上がります。

「点滴の針刺しますよー…あれ?よっ!ん?ダメか。」

ダメかってなんだダメかって。

「腕ダメだったんで手の甲刺しますねー。こっちは痛いですよー。」

何その悲しい宣告。

 

そういえば希望すると手術前に好きな音楽かけてもらえるんですって。どうせすぐ寝ちゃうから特に希望しなかったところ、

♪「決戦は金曜日」DREAMS COME TRUE

が流れてました。30代女性の好きそうな曲をチョイスしてくれたのかしら。まあ、好きです。むしろ初めて買ったCDこれです。

 

ふふってなったところで麻酔開始。

頭の芯が痺れて、

あー・・・これ・・・テキーラショット3杯目くらいの感じ・・・

と思いながら眠りにつきました。

 

 

入院1日目(夜)。

結論から言って、私の腸全然鉄壁じゃなかった。

 

眠れないまま寝がえりを打ち続けた23時、突然やってきた腹部への違和感。記憶から消えた頃に背後から忍び寄る影。――――下剤。

ちょっとドラマチックに言ってみても結局のところお腹ピーピーです。

30分おきに5回トイレに通いました。

 

これアレだ。慣れないベッドと枕のせいとかお隣の病室から頻繁に聞こえる「イタイ…」っていう声とか明日の手術への不安とかそういう正規ルートぶった切って、普通に下痢で眠れないやつだ!

 

「眠れなかったらお薬出しますからねー」っていう天使の声を思い出すけど、この状態で薬で眠るなんてデンジャラス過ぎる。手術後ならいざ知らず、体にメスどころか注射の1本も打っていないこの状態での失態は勘弁してほしい。

 

結局九九を一の段から唱えてみたり素数を数えたりしてるうちに4時になり、そこからちょっとウトウトしてるうちに朝になりました。手術そのものに対する不安はもはや皆無。

 

まさか手術当日の朝最初に思うことが

「手術中にもらしたらどうしよう…」

だとは思わなかったなぁ。

入院1日目(昼)。

平成30年5月7日(月)

ついに入院です。

 

9:30

受付で手続きをしていざ病室へ!

実は私嘔吐恐怖症で自分が吐くのはもちろん人が吐いてるの無理なので、個室を選択しました。ほかの人のブログだと「同室の人と話して気分転換になった」「さみしくなかった」って話もあるので人それぞれですね。

 

10:00

麻酔医からの説明。

麻酔が覚めた後意識はあるのに体が動かなかったらどうしようとか、そもそも入院前日までストロングゼロキメてるような奴でも麻酔はちゃんと機能するのかとか不安は尽きませんが、懇切丁寧に説明していただきました。

 

10:30

「よけこさん、おへその掃除と毛剃りやりましょう」

他の病院だと自分で剃るところもあるみたいですが、ここは看護師さんがやってくれるみたいです。

横になり、へそにベビーオイルを垂らしてふやかしてる間にレッツ剃毛!

入院中「看護師さんマジ天使」って1,000回くらい思うんですけど、これが1回目のマジ天使でした。

手早くバリカンを走らせテープで余分な毛を払い、ベビーオイルがなじんだへそをちゃちゃっと掃除する。手際の良さと言い、適度な声掛けといい、惚れ惚れします。

対して下半身丸出しで完全マグロ状態の私、人様にへそをグリグリされるという初めての体験に「デュフwwwッヘヘwww…すみません大丈夫でデュフフフフwww」って変な声出すことしかできませんでした。

 

11:00

「手術後は着圧ソックス履くんで、ふくらはぎのサイズ図りますね~」

足の太さを図る。

足の、太さを、図る!!!!

子宮筋腫の治療してると下半身をペローンと出すことへの抵抗感はもはやオブラート程度の薄さになるので、パンツを脱ぐより足にメジャー巻かれる方が恥ずかしいという状況。今後が心配です。

 

11:30

お昼ごはん。熱いものは熱く、冷たいものは冷たく出てくるのありがたい。

 

13:00

執刀医、手術担当看護師からの説明。

お腹にガスを入れて膨らませつつ、へそからカメラを入れて、下腹部3カ所から器具を入れて手術を行うとのこと。

私ずっと疑問だったんですよ。薬で小さくなったとはいえ子宮筋腫は8cm。1,2cmの穴からどうやって取り出すのかと。

執刀医「ドリルみたいなので削って細かくして取り出します」

私「ドリル」

執刀医「ドリル」

ドリルでした。めでたしめでたし。(想像の域を超えたため、ここで知能指数が3歳児になる。)

 

14:00

下剤(マグコロール250ml)を飲む。

「ちょっとすっぱいらしいんで、お茶とか一緒に飲んでも大丈夫ですよ。少しでも飲みやすいように冷やしておきましたからね。」

マジ天使。(早くも2回目)

これ確かにすっぱいしほんのり甘いんですよ。粉末のポカリスエットをレモン汁で溶いたような味。お言葉に甘えてお茶と一緒に飲んでみる。

ポカリとお茶の謎コラボ味。難易度上がってんじゃねーか!!!

 

15:00

しばらくシャワー浴びられないので念入りにシャンプー。

 

18:30

夕飯。唐揚げ!明日朝から手術なのに揚げ物とか食べられるんだなぁ。

 

20:30

下剤、早い人なら夕飯の頃効いてくるって言ってたけどまったく反応ない。私の腸、強風の日の京葉線くらい動いてない。結婚式の花嫁入場前の厳かさに負けないくらい静か。

google検索:「下剤 効くまでの時間」「下剤 効かぬまま手術」

必死か。

 

21:30

消灯。こんな時間から寝れるかなぁとか以前に、下剤はどうなっちゃったの?私の腸鉄壁過ぎない?

(そして寝れぬまま「入院1日目(夜)。」へ続く)